実例でわかる 介護老人保険施設 利用の手引き
今回も本のご紹介です。
先日、兵庫県行政書士会の交通専門部会委員長の水野利文先生から一冊の本をいただきました。
水野先生のお兄様であられる水野耕作先生のご著書です。
水野耕作先生は整形外科医で神戸大学名誉教授であられます。
神戸労災病院院長も経験され、現在は介護保険老人施設プリエールの施設長をされています。
本書は水野耕作先生がとてもわかりやすく介護老人保険施設(老健)とは何か、介護老人福祉施設(特養)との違い、介護老人保険施設の利用の方法などを説明してくださっています。
また、本書の中では介護福祉士さんに対する思い、日頃のご活動の中で先生が感じられていること、介護保険老人保険施設と各種の制度との矛盾なども語られていて非常に勉強になります。
私も法律家の端くれとして、また、後見人を引き受けたこともあり、法律的なことはいろいろと勉強しているつもりですが・・・
実際のところ、介護の現場のことや複雑な介護制度の違いまではなかなか理解が及ばないのが現状です。
本書は介護老人保険施設との対比することで、制度の違いまでもわかりやすく説明してくださっています。
とてもわかりやすいので一気に読んでしまいました。
私は後見業務の他に、自賠責保険の請求手続も業務としているのですが、本書の「自動車損害賠償保険制度と介護老人保険施設」の項目で説明されている矛盾に悩んだりします。
自賠責保険で交通事故の被害者の方を支援する場合、「後遺障害があるか否か」は基本的には事故後6ヶ月の治療を経て、その後、被害者の方の身体に後遺症があるかないかを判断するのですが・・・
被害者の方が高齢で病院にてリハビリを行っている場合、病院側が介護老人保険施設に回してしまおうとする傾向にあるということに悩んでいます。
私としては、こういう場合は「せめて症状固定になるまでは、この病院でリハビリを続けさせてください」とお医者様にお願いしています。
症状固定までの治療は加害者の負担となるのが原則です。
もし、症状固定前での交通事故の治療の途中で介護老人保険施設に患者さんが回されるとなると・・・
治療費については介護老人保険施設の負担となる矛盾が起きてしまうからです。
本来なら加害者側が負担すべき治療費が・・・
このようなことは本来あるべき姿ではありません。
実は同じような問題は交通事故での治療を健康保険を使って受ける場合にも起こるのですが・・・
さておき、本書一冊で本当にいろんなことが理解できます。
水野耕作先生の介護に携わる方々に対する温かい思いも感じることができます。
介護に携わる方々の地位の向上が望めないか・・・
為政者の方々にも読んでいただきたいと思います。
そして、私のように法律家として、後見や交通事故業務に関わる方々にも読んで欲しい一冊です。
超オススメの一冊です。
ぜひお読みください。
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2017年10月8日