一部の相続人からの銀行預金の払戻請求その2

相続・遺言 行政書士

ミースケ:今回は前回の続きだね?

昭和29年に判例で「預金などの金銭債権は相続分に応じて払い戻しなさい」と言っているのに、平成の世である今になってまで、どうして銀行はすぐに払戻に応じてくれないの?

ウサ吉行政書士:銀行には銀行の言い分があるのです(;^_^Aアセアセ・・・

それは「銀行実務においては、預金の払戻については、共同相続人全員の合意による請求か、遺産分割協議書に基づく請求が必要である」という言い分なんです。

ミースケ:銀行実務って法律や判例より偉いの?

ウサ吉行政書士:そんなことはありません(;^_^Aアセアセ・・・

ただ、元信用金庫職員の経歴を持つ私としては、銀行側の言い分も分からない訳でありません(;^_^Aアセアセ・・・

銀行が安易に相続預金の払戻に応じると、相続人の間の紛争に巻き込まれるおそれもあります。

それを嫌う銀行が、やっかいごとを避けるために、相続人全員の合意を書面で欲しがる理由が分からないこともないです。

ミースケ:でも、おかしいよね!

ウサ吉行政書士:おかしいです。

銀行をたしなめるような判例もあります。

ご紹介しますね。

「金銭債権である預貯金の払戻請求権については、相続人全員の同意がなければ払戻を実行せず、一部相続人からの訴訟提起とその判決によって、ようやく払戻しを行うといった運用が、一部金融機関で行われているとのことであるが、かかる運用は、可分債権である預貯金払戻請求権の性質を軽視するものであり、また、預貯金者に訴訟提起といった時間と経済的負担を強いるものであって不適当な運用というべきもので、かかる運用が商慣習として確立しているものとは認められない(東京地判平18・7・14・金法1787・54)。

ちょっと長いですけど(;^_^Aアセアセ・・・

興味深い判例でしょ?

ミースケ:じゃあ、これらの判例を示せば、銀行は払戻に応じてくれるんだね?

ウサ吉行政書士:応じてくれるようになりつつあります(;^_^Aアセアセ・・・

そして・・・

こういった判例を示したからといって、無条件って払出に応じてくれる訳ではないです。

ミースケ:ええー、どういうことっ( ̄□ ̄;)!!

ウサ吉行政書士:判例も銀行側の立場を少しばかり考えてあげていて・・・

「一応、遺言がないかどうか、相続人の範囲に争いがないかどうか等の資料の提出を払戻請求者に求めることは不当とは言えない」(東京地判平8・2・23金法1445・60)

とか

「(預金の払戻)債権を遺産分割協議の対象に含めることについての合意が成立する余地がある間は、その帰属が未確定であることを理由に請求を拒否することも可能というべきである」(東京地判平9・10・20判タ999・283)

とか言っています。

この点を考えてみますと、払戻請求をする側の方で、遺産分割協議が整わないことを示す資料をそれなりに用意できれば、銀行側は預金の払戻に応じざるを得ないのかなと思います。

ミースケ:なるほど!

でも、銀行に説明するのがうまくいかなかったり、資料をうまく集まられなかったりした場合はどうすればいいんだろう?

ウサ吉行政書士:そのときは、当事務所にお任せ下さい!

資料集めから、説明書の作成まで、相続手続についてのお手伝いをさせていただきます。

(追記)

平成28年12月19日の最高裁大法廷決定により判例が変更されました。

遺産分割が終了するまで、銀行預金の払い戻しはできなくなりました。

最高裁大法廷の決定の要旨はこちら

 

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